歯科衛生士

01 秘密のポケット

歯や口の中の健康を守る歯科衛生士が使う器具と言えば

  • スケーラー

    先がとがっていて、歯と歯の間の歯石や歯垢しこうを取り除くことできます。

  • プローブ(ポケット探針)

    歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に入れて深さをはかり、歯周病の進行具合をチェックします。先に目盛りが付いています。プロービングは、針で探る操作という意味です。

  • デンタルミラー

    歯の裏側などを映して見るための器具です。鏡の角度を調節して、光が届かないところに光を反射させて照らすこともできます。

02 どんな仕事をするの?

子どもから高齢者こうれいしゃまで、様々な年代の歯と口の中の健康をサポートします。仕事の内容は、歯科衛生士法で、「フッ素の薬をぬったり、歯石やプラークを専門的に取り除いたりするなど、むし歯や歯周病を予防する処置」「歯科診療しんりょうの補助」「正しい歯みがき指導などの歯科保健指導」の3つと決められています。国家試験に合格した専門家ですので、歯科助手とはちがい、患者かんじゃさんの口の中に手を入れることができます。資格は、生涯しょうがい活用できます。求人数も豊富です。

03 どんなところ(場所や場面)で働くの?

歯科衛生士の職場は、医療いりょう分野、福祉ふくし分野、介護かいご分野、保健分野のほかにも、歯科関連企業きぎょう、教育分野など様々な場所、場面があります。求人も多く、子育てや家事を優先するなどライフスタイルに合わせて非常勤やパートタイムで働く人もたくさんいます。近年は、フリーランスで働く歯科衛生士もいます。

働く場所

働き続ける中でステップアップを考えるようになったら、特定の分野で高度な知識や技術を持つ「認定歯科衛生士」を取得するという道もあります。

  • 歯科医院

    歯科衛生士の就職先の約9割が、虫歯などの治療ちりょうを行う一般いっぱん歯科クリニックです。歯科には一般歯科のほか、小児歯科、矯正きょうせい歯科、口腔こうくう外科など専門分野に特化した医院があります。

  • 大学・総合病院

    大学病院や総合病院の歯科や口腔こうくう外科も勤務先の一つです。歯科診療しんりょうの補助、口腔外科手術の準備や補助、手術前後の感染症かんせんしょうを予防する口腔ケアなどを、チームの一員として担当します。

  • 介護かいご・福祉施設ふくししせつ(入居・通所・訪問)

    口の中のケアは、高齢者こうれいしゃの健康寿命じゅみょうを延ばすために重要です。生きることは食べることです。年齢ねんれいとともに「食べる」「飲みこむ」などの力が弱ってくると、QOL(Quality of Lifeの頭文字。生活の質、生きがいや満足度などと訳される)の低下につながり、病気のリスクにもなるとも言われています。高齢者の口腔こうくうケアや食べ物をかんだり、飲みこんだりするための機能訓練などを行う歯科衛生士も増えています。

    また、歯科衛生士として5年以上働けばケアマネージャー※1の受験資格を得ることができます。

    • ケアマネジャー:介護かいご保険の利用者の相談に応じて、市町村や介護事業者と連絡れんらくを取りながら、本人にもっとも適したケアプラン(介護サービス計画)を立てる専門家のことをいいます。各都道府県が認定する公的資格です。

  • 市町村保健センター

    公務員として都道府県や市町村の保健所や保健センターなどで、地域住民や高齢者こうれいしゃの健康を守るために、さまざまな歯科保健指導や歯科検診けんしんの補助などを行います。乳幼児の歯科検診補助や、ブラッシング指導、歯科に関するなやみ相談なども大切な業務です。

  • 歯科関連企業きぎょう

    医療いりょう機器や治療ちりょう用品など、歯科関連企業きぎょうで、歯科衛生士としての知識を生かした商品開発、研修・セミナー講師、自社製品の営業など、役割は多岐にわたります。

  • 教育分野

    教員として歯科衛生士養成校で働いたり、学術機関で歯科口腔こうくう関係の病気や治療法ちりょうほうなどの研究をしたりします。

働く場面

  • 障がいのある人、子どものための歯と口の健康づくり

    障害者歯科センターや地域口腔こうくう保健センター、個人歯科診療所しんりょうじょ、病院歯科、大学附属ふぞく病院などで行われている特別な配慮はいりょが必要な方の歯科診療の補助に関わります。

    また、障がいのある人、子どものための施設しせつ、例えば医療いりょう型障がい児入所施設しせつや療養介護施設りょうようかいごしせつの病棟びょうとう、施設しせつに入所している利用者の歯科衛生士業務に関わる人もいます。

  • 災害現場(避難所ひなんじょでの支援、被災者ひさいしゃ支援しえん

    大規模自然災害が発生した際、必要に応じて日本歯科衛生士会は、災害対策本部を設置して状況じょうきょうを把握はあくしながら関係機関と協力して、支援しえん体制を整えて活動しています。

  • 海外(国際協力)

    青年海外協力隊などのボランティアスタッフとして日本の歯科技術やノウハウを、さまざまな国に届けて伝えている歯科衛生士もいます。青年海外協力隊は独立行政法人国際協力機構(JICA)が行っているボランティア活動です。さまざまな専門職の方が開発途上とじょう国に出向き、自分が持っている知識や技術を現地で2年間活かす制度です。

仕事の様子を動画で見てみよう

04 どうしたらなれるの?進学フロー

歯科衛生士は、国家資格です。国家試験の受験資格を得るためには、歯科衛生士養成校(文部科学大臣が指定した学校、または都道府県知事が指定した歯科衛生士養成施設(しせつ))で3年制短期大学、4年制大学で、どの学校でも3年以上学びます。入学できるのは、いずれも高等学校を卒業している人、もしくは文部科学大臣が高等学校卒業と同等以上の学力があると認めた人です。もちろん社会人になってからでも養成校に入学することは可能です。夜間部のある学校に入学して働きながら学ぶ人もいます。

進学フロー

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